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インタビューず

能勢電鉄株式会社 取締役社長 城南 雅一 氏

城南雅一(じょうなん まさかず)氏
1958年11月25日生まれ/1982年_神戸大学経済学部卒業/1982年_阪急電鉄株式会社入社(現:阪急阪神ホールディングス株式会社)/2005年_同 都市交通事業本部鉄道営業部部長/2008年_阪急バス株式会社 常務取締役/2013年_阪急阪神ビルマネジメント株式会社 取締役常務執行役員/2014年_能勢電鉄株式会社取締役社長(現在)

ーいつも車で通る173号線沿い能勢電鉄平野駅近くの御本社にお伺いしました。

ー能勢電鉄のミッションは?
111年この地で生きています。もちろんこれからも。その中で2017年に経営理念を新たに制定しました。
新しい経営理念は

お客様に「あんしん」を
地域に「にぎわい」を
そして、みんなに「しあわせ」を

です。以前の経営理念は「“We Stand By You”のせでん」でした。いつもあなたのそばいますという受け身のメッセージでした。これは沿線人口が増えていく時代の理念と思います。いまの高齢化が進み、また若い人がどんどん都心や海外に出て行く時代には即していないとの思いから、若手プロジェクトメンバーによって生まれた理念です。私たちの強みであるこだわりの職人魂や小さいながらも強い団結力を活かして「あんしん」「にぎわい」を創り出し、皆さまの「しあわせ」に貢献したいと考えています。特に、地域の「にぎわい」については、今までもハイキングの開催等で取り組んできましたが、より一層強く地域の「にぎわい」に関わるべきとの思いから、明確な言葉で打ち出しました。のせでん沿線が寂れて、能勢電鉄だけが生き残るなんてことはありえません。まずは地域に賑わっていただき、沿線に定住する人が増えるべく貢献をすることで、結果として能勢電鉄もサバイブできると考えています。
最近の例で言うと、
「おかえり横丁」があります。地域の元気なお店、6店舗が川西能勢口駅5番ホームに留置した電車にお店を出して、川西市のど真ん中でお店のPRを行いました。大盛況で700人を超えるお客様がお越しになり、お店の方にも喜んでいただきました。のせでん沿線をあまりご存じない方にも沿線や店舗の魅力を知ってもらうことが出来ました。
そしてさらに今回、ご家族連れに楽しいでいただこうと企画したのが、
妙見口駅1番ホームで開催する「カフェステーション」です。沿線のこだわりパン屋さん9店舗が出店します。妙見口駅前の店舗「かめたに」さんとコラボで開催します。

ー地域の「にぎわい」の地域とは、どこを指しているのでしょう
1市3町(川西市、猪名川町、豊能町、能勢町)になります。このエリアは周りの市・町に比べて発信力が弱いので、1市3町を一つのエリアとして捉えられないかと考えています。1市3町が持つコンテンツを三本の矢のように束ねられれば、大きな魅力となり今以上に発信力も高まると思います。もちろん行政区分の壁はありますが、「いいな里山ねっと」を活用してうまく乗り越えたいと考えています。それは1市3町の首長、兵庫県阪神北県民局、大阪府都市魅力創造局等で構成される府県を超えた会議体です。まずはそこの若手を中心にワーキングチームを構成し、地域資源のデータベース化やマッチングのためのプラットフォーム造りを行い、外国人観光客等への「おもてなし」を揃えたり、地産地消による地域経済循環のきっかけづくりをしたいと思っています。それらの実現を行政だけなく元気な事業者の方とも一緒になって取り組めればと思います。

10月26日から開催されている「のせでんアートライン2019」は、
1市3町や兵庫県、大阪府とともに取り組んでいる芸術祭で4回目となります。今回のテーマは「避難訓練」、特色は地域ブランディングを新たに軸としたことで、この地域で活動する12団体が参加しています。これからもこの芸術祭が地域で頑張る皆さんの活躍できる場になればと考えています。

ー定住化促進の視点では
能勢電鉄の輸送人員が減っているのは間違いありません、毎年1%以上減少しています。その中で、2つの施策を考えています。
1つは繰り返しになりますが、インバウンド等の交流人口を増やし、そのおもてなしに地域資源を活用することです。地産地消により地域経済が循環する仕組みを造れれば、定住希望者が出てくると考えています。
もう1つは、職住近接です。もともとこの地域は大阪のベッドタウンですが、最近変化の兆しが現れてきました。新名神高速道路が開通しインターチェンジ付近に企業が大規模な拠点を作り始めています。猪名川町では、プロロジス社の西日本最大級の物流施設が計画されていますし、箕面森町の第3区域には企業団地が出来ます。何れにおいても新たな雇用が生まれ、近隣の住宅地に定住を希望する人も増えてくると思います。その際に課題として出てくるのは、通勤の足をどうするかという自宅や最寄り駅から職場への交通手段に関するものでしょう。沿線の定住化を促進するためには、この課題を行政や地域の企業と知恵を出し合い、共に解決をめざしたいと思います。

ーエリアブランディングの進捗は
これまで里山のPRに力を入れており、また北摂里山の象徴である菊炭を守りたいとの思いから、妙見の森バーベキューテラスではこの地域の炭を使っています。しかし喫緊の課題として、その原料となるクヌギ等の原木を山から切り出す人の手が足りないことが問題となっています。里山文化を守るためには人手を集めることが必要になっています。それも永続できる対策でなければなりません。そのためには地域の皆さんとの連携が必須となります。

ー地域のNPOややる気のある人に発信して共感を生み出すことが必要ですね
そういう方々や組織と力を合わせられれば、私たちも一緒に頑張れると思いますし、今回の北摂里山地域循環共生圏の考えにも通ずるものだと思います。地元やNPO等との信頼関係を構築し、それをベースに永続的な仕組みを作ることが大切だと思っています。実は、のせでんアートラインの開催期間中に、妙見口駅で電動アシスト自転車を使ったシェアサイクルの社会実験を行います。たとえばこれを地域循環や2次交通の解決策の一つとして捉え、関係者の意見も伺いながらいろいろ研究したいと考えています。また行政区分の境界を跨ぐ取り組みも出てくると思いますが、その際にも地域の皆さんと連携して進めることが重要となるでしょう。

ー次の一手は
広範なエリアを対象としたエリアブランディングには正直悩んでいます。もともと私たち鉄道会社はインフラ事業ですから、エリアブランディングにおいては黒子に徹するものとの思いがありました。そういった状況の中で、社内の若手プロジェクトチームから出てきた提案は、それとは真逆の「先ずは能勢電鉄が目立っていこう」というものでした。今後私たちはエリアの発信力を強めるべく、のせでんをブランディングしていく覚悟です。

そしてこれからも変わらず「あんしん」してご乗車いただくとともに、「にぎわい」と「しあわせ」を地域にもたらしたいと思います。
ーありがとうございました。

「小学生の時の夢は?」とお聞きしましたら、「うーーん記憶にないなー」とのことで今回は割愛させていただきます。
20年毎日乗ってる「のせでん」の地域への思いをお聞かせていただき、乗るのが楽しみになりました。
共生圏として一緒にできるシーズを多くお持ちだなと思いました。今後とも是非よろしくお願い申し上げます。
(T.Mi)

 

神戸新聞社 論説委員 辻本 一好 氏

兵庫県環境管理局長 菅 範昭 氏 

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