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②バイオマスの有効利用

5つの事業②バイオマスの有効利用

jplenio / Pixabay

宝塚すみれ発電は、兵庫県の2017年度「ひょうご農商工連携ファンド事業」にて、丹波市の乳牛ふん尿等を活用するバイオガスプラントによる地域循環型エネルギーシステムの構築を検討し、さらにその事業化を農林水産省の2018年度「6次産業化支援事業」にて検討しており、この知見を宝塚市西谷地区の酪農事業者にも適用予定である。バイオガス化施設が稼働するようになれば、その副産物である消化液を田畑で利用することにより、化学肥料の使用量を削減することもできる。一方、神戸大学では少量のふん尿でバイオガスを生産できる小型装置を開発し、神戸市北区の酪農家で実証研究をしており、神戸市は市内4ヶ所の下水処理場の汚泥処理によるバイオガスの活用を進めている。生活協同組合コープこうべも食品廃棄物の堆肥化やバイオガス化を進めており、兵庫県も「ひょうごバイオマスecoモデル登録制度」により70以上の事業を登録し、その普及を後押ししている。これらの活動は本提案事業の参考になるため、これらの知見を関係者間で共有することにより、その普及・拡大を図る。

木質バイオマスに関しては、猪名川町では間伐材や選定枝葉から木質ペレットを年600トン程度生産し、これを小中学校の暖房に利用し、町民にも無償配布している。川西市、猪名川町及び大阪府豊能町、能勢町の1市3町から排出される一般廃棄物の中間処理を行う国崎クリーンセンター(猪名川上流広域ごみ処理施設組合)にも多くの木質バイオマスが集積しており、これをペレット化・チップ化して熱源や園芸に利用することにより、域内の資源循環を進められる。またそのような需要を拡大することにより、森林・里山保全活動が活発化し、域内での好循環が期待される。
関連ページ インタビュー「国崎クリーンセンター啓発施設・ゆめほたる 所長 鈴木榮一氏」
関連ページ インタビュー「非営利型株式会社 すみれ発電 代表取締役  井上保子氏」
関連ページ インタビュー「神戸新聞社 論説委員 辻本 一好 氏」
関連ページ インタビュー「兵庫県環境管理局長 菅 範昭 氏 」
関連ページ インタビュー「川西市黒川 今西菊炭本家 今西 学 氏」
関連ページ インタビュー「(株)sonraku代表取締役 井筒 耕平 氏」

 

現在の活動と実績

乳牛のふん尿活用によるバイオガス発電と熱利用
・環境省平成31年度脱炭素型地域づくりモデル形成事業(宝塚市)にて、宝塚市西谷地区の乳業事業者3件(乳牛及び肉牛計600頭程度)での、バイオガス発電と熱利用の適用可能性を検討する。

森林バイオマス資源の活用による発電と熱利用
・「西谷地域の里山資源の持続的活用による再生可能エネルギー導入可能性調査事業」(平成29年2月、宝塚市)及び「里山資源を活用した里山ビジネス実現可能性調査」(平成27年3月、兵庫県阪神北県民局)の調査結果を踏まえ、そこで推奨されている西谷地区の森林バイオマス利用可能量(賦存量600,000m3程度に対する2,000m3程度)の活用計画について、宝塚市環境部環境室地域エネルギー課及び阪神北県民局阪神農林振興事務所(本年9月17日(火)の聞き取り予定)に確認するとともに、有識者やその他の関係者の意見を踏まえ、その熱電利用の可能性を検討する。
・猪名川町及び川西市における同様の調査結果及び現行の森林バイオマス資源の利用状況を調査し、関係者や有識者の意見を踏まえ、その効果的な利用方法を検討する。
・NPO北摂里山文化保存会では、兵庫県「平成31年度地域創生!再エネ発掘プロジェクト」の立ち上げ時取組支援事業を利用し、独立行政法人水資源機構一庫ダムの敷地内にある温泉源において間伐材等を原料とするバイオマス発電施設の適用可能性調査を実施する。これが実現すれば、発電の余熱を利用した一庫温泉もしくは足湯が復活し、これを観光資源として利用できるとともに、間伐材等の活用による森林・里山保全が進む予定。

猪名川上流広域ごみ処理施設組合の発電電力の公共施設での利用
・猪名川上流広域ごみ処理施設組合(国崎クリーンセンター)は、川西市、猪名川町、豊能町、能勢町の合計人口22万人程度のごみ処理を担う組織である。同センターには5MWの発電設備があり、年間22-26GWh程度を発電し、そのうちの8-11GWh(全体の4割程度)を売電している。同センターを地域新電力会社とし、現在売電している電力を市内の公共施設に供給することにより、その電力使用量を削減することができる。同センターの管理業務を受託しているJFEエンジニアリング(株)は、同様のごみ焼却発電施設のある5都市(新潟市、所沢市、磐田市、福山市、熊本市)において地域新電力会社(アーバンエナジー株式会社)を立ち上げ、市内の公共施設等に電力を供給しており、同様の取組が当地でも可能と考えらえる。この適用可能性について、同センターの管理者である、川西市長、猪名川町長(及び豊能町長、能勢町長)と協議する。

2020年度事業の取り組み
環境省「地域の多様な課題に応える脱炭素型地域づくりモデル形成事業」における補助事業
「北摂里山地域の木質バイオマスの有効利用事業」の実施
以下の事業を行う
① FIT買取期間終了後の再エネ由来電力の活用など地方公共団体と地元企業が連携した再エネの拡大/防災減災効果の向上を図る都市機能集約/高齢化社会に対応した都市部の交通転換や地域公共交通の脱炭素化等の事業検討を行う事業
② 各地域の既存リソースを持続的に活用し、地域の資源生産性向上、地域経済の活性化を図る地域づくりを実現するための事業検討を行う事業
③ 地方公共団体が中心となり地域関係者と合意形成等を行う取組や、必要な情報や知見を周知する取組を行う事業

【事業の背景】
昨年度、北摂里山地域循環共生圏事業は、環境省の「環境で地方を元気にする地域循環共生圏づくりプラットフォーム事業」の活動団体の一つに選定され、北摂地域の関係市町や団体と連携し、8つの活動を実施してきた。本事業は、このうちの活動2「バイオマスの有効利用」と活動5「森林・里山の保全」を合わせた事業モデル形成のための基礎調査を実施するものである。本事業は兵庫県阪神北県民局が事務局を務める「北摂里山博物館(地域まるごとミュージアム)」構想に則って進めている。今年度の本事業の所管は阪神北県民局から農政環境部温暖化対策課に移し、本事業を地域主体の温暖化対策の取組の一つとして進める。

【本事業の実施を通じて将来的に実現する地域循環共生圏の構想の内容(地域の目指す姿)】
本事業は、宝塚市西谷地域の県有環境林(866ha)を中心に、その周囲の猪名川町、川西市、三田市を対象地域とし、以下の2点を主な目標とする。
・北摂地域の森林資源の地域主体による管理モデルの構築による、森林の防災・減災効果及び環境・社会価値の向上
・木質バイオマスの有効活用による、地域のエネルギー自給率の向上

上記の目標達成のため、本事業では以下に示すような実施体制構築の可能性を検討する。

【事業の実施内容】
事業モデルの実現に向け以下の調査を実施する。
・環境NGOや森林ボランティア団体との連携可能性調査
・木質バイオマス利用可能量調査及び森林管理計画策定
・バイオマスセンターの事業計画策定
・域内の熱需要の木質バイオマス燃料への代替可能性調査及び地域エネルギー会社の事業計画策定

2021年度計画
・県有環境林及び一部の私有林の森林管理計画の策定
・環境NGOや森林ボランティアの組織化による県有環境林の伐採の開始
・バイオマスセンターの立ち上げ(用地確保、機材や建屋の補助申請、運営体制の構築)
・地域エネルギー会社の設立準備

2022年度計画
・県有環境林及び一部の私有林からの木質バイオマスの伐採、森林保全
・バイオマスセンターの運営開始(原木の保管、加工、販売)
・地域エネルギー会社の立ち上げ
・一部施設へのバイオマスボイラーの導入支援、薪・チップの供給

 

 

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