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⑦観光(都市住民や観光客の取り込み)

3つの活動②観光(都市住民や観光客の取り込み)

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観光:都市住民や観光客の取り込み

北摂地域はもともと自然あふれる住環境であり、歴史ある神社・仏閣が多く、近年ではシェアハウスや地産地消を掲げるレストラン、パン屋、カフェ等も増えている。川西市の天然記念物である台場クヌギ林や妙見山ブナ林を抱える黒川(東谷)地区では、独立行政法人水資源機構の管理する一庫ダムや知明湖、その周囲の県立一庫公園なども観光スポットなっている。この観光資源と本提案事業の体験型学習プログラムを組み合わせることにより、より魅力ある観光コンテンツを提供できる。

同プログラムの集客には、神戸新聞社の発信力を生かす。同社は昨年度、兵庫県、神戸市、神戸大学、兵庫六甲農業協同組合、生活協同組合コープこうべ等と連携し、地域資源から得る自然エネルギー「地エネ」を生かした地域づくりを推進する「地エネと環境の地域デザイン」事業を開始した。同事業では兵庫県内の「地エネ」を活用した事例を訪問する「地エネ&農食ツアー」を手掛け、宝塚すみれ発電のソーラーシェアリング施設もその一つとなり、多くの一般市民が参加した。同社は今年度も同事業を継続し、6月に地エネと環境の地域デザイン協議会を発足予定である。同社担当者に本提案事業の概要を説明したところ、IGES関西研究センターも同協議会の一員となり、本提案事業をその分科会の一つとして位置付け、今後、連携していくことが合意された。これを受け、年3回予定される同協議会への参加を通じ、ほかの協議会メンバーとの連携、新聞紙上での成果の発信、本提案事業の活動の体験型学習プログラムへの集客などが期待できる。

現在の活動と実績
各活動に参加する都市住民や観光客の増加
・北摂地域の観光促進のためのツールとしては、以下のものがある。
ウェブサイト:
「ぐるっとおでかけ阪神北 ひょうご北摂ツーリズムガイド」(兵庫県阪神北地域ツーリズム振興協議会が運営)
パンフレット:
「ひょうご北摂☆きらっとまち歩き」
「ひょうご北摂☆きらっとドライブマップ」
「北摂里山―新発見―サイクルマップ」

北摂地域の定住促進のためのウェブサイト:
「ココシルひょうご北摂ライフ」
・このような取組がすでに実施されているので、この関係者に聞き取りし、足りない部分や連携可能な部分を確認し、本事業の活動内容を決める。

今後の展開
都市部との連携を生み出す【インタビュー】
地エネと環境の地域デザイン協議会事務局を務められておられる、神戸新聞社 三宅秀幸氏 豊田周平氏にお話をお聞きしました。

ーよろしくお願い申し上げます。早速ですが、現在の協議会の活動はどのように展開されていますか?

三宅氏:よろしくお願いします。
協議会自体を年に3回開催していて、会員の皆様のディスカッションの中で色々な気付きと枠組みが生まれています。
また「地エネ」をテーマにしたツアーを開催していますので、そのツアーの中でのつながりや取り組みも生まれて来ています。
協議会としては、そのような会員同士に生まれる連携と言いますか繋がりを形にしていく、誘発していくことが求められていることだと思っています。

ー実際の事例は多く生まれているんでしょうか?

三宅氏:最近の事例では、純米吟醸酒「地エネの酒 環(めぐる)」があります。
プロジェクト自体は、地エネ協議会に参加する酪農家、山田錦生産者、蔵元の皆様の連携で2020年にスタートしました。
会員の酪農家の弓削牧場さんのご協力を得て、酪農由来のバイオガス生産過程で生まれた消化液を美味しい日本酒を作り出す酒米「山田錦」の水田に活用しました。
収穫した米を蔵元で仕込み、生まれた日本酒が『環』です。初年度は全数売り切れ、今年2年目を迎えます。

日本酒ができる一つのサイクルを、一つの地域の中で完結し、会員の皆様で一体となって作り上げた大きな成果です。11月には、万博を見据えてららぽーとでイベントも予定しています。酪農家や蔵元も増えて来ていますので、この成功モデルをどんどん横展開していきたいと考えています。

また、たつの市の室津地区では、竹林の整備と牡蠣養殖をつなぐことにもチャレンジしています。
養殖で利用する筏を、今までは九州から取り寄せていましたが、地域の竹林整備から生まれた竹を使って筏を作っています。
養殖が終わるとその竹を粉砕して、竹林に戻し土を豊かにする循環を生んで出していきます。

日本酒や牡蠣などの商品を作ったことで販売の皆様とも繋がりができて来ています。
「環」を百貨店さんなどで販売いただいていますし、牡蠣についてもすでに販売の予定をいただいています。
今2つの事例では新たなツアーを行い、現地を体感していただくことで、広がりを作っていきたいと思っています。
神戸レザーのプロジェクトも進んでいて、これは、神戸ビーフの副産物として皮革を利用して特産品に仕上げていきたいと考えています。

豊田氏:協議会としてみると、立ち上げ時とは違い、目に見える形を求められていきます。
しかし、コロナ禍で行動も大きく制限され経済活動自体も大きくシュリンクしているわけですので、今は会員の皆様に情報の集まる場所をご提供していくことに特化しています。
その中で誘発を生み出すためには、具体的な目標となる形が大切ですので、日本酒や牡蠣など「もの」を中心に据えていければと考えています。その「もの」が生まれ、その「もの」を一般の方に効果的に伝えていくお手伝いができればと思います。伝えていくためには、観光も大切になります。

三宅氏:リッツカールトン大阪のシェフが、資源循環の食と「環」をペアリングしたのコースを今年9月に提供するイベントが開催されました。
地域と環境保護、地エネを地域の中で循環させ、そこで生まれた食を育てる。大きな可能性を実感するイベントでした。

ー食を中心に据えることで、他の地域との広がりが生まれますね。北摂の他の地域のリソースも計画されている循環の中に取り込める大きな可能性を感じました。

三宅氏:そうですね。皆様と一緒に力を結集して、資源循環をブランド化した「環」を育て、SDGs社会の実現に貢献していきたいと考えています。

ーありがとうございました。

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