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インタビューず

西谷地区地域活性化部会 部会長 安場 翼 氏

安場 翼(やすば つばさ)氏
西谷地区まちづくり協議会 地域活性化部会 部会長

ーよろしくお願い申し上げます。釣り忍お持ちですね。早速ですが、西谷ご出身ですよね。

よろしくお願いします。お土産でいただいたんですが(笑)。
西谷の大原野の生まれです。
幼稚園の時の夢は、ドラえもんでしたね。小学校の時は野球をやってましたので、野球選手が夢でした。
高校の時は、六大学で野球がしたいと思い、夢は叶ったんですが、レベルが違いすぎて、結局軟式野球部で一生懸命野球をやってました。
大学時代は、楽しく野球をやってたイメージですが、就職を考えて機械工学科に進学しました。
就職活動を始め、出会ったのが、「水素」でした。

色々受けてみたんですが、就職後に希望通りに配属してもらって「水素」に携わっていけるイメージがなくて、もう少し専門性をつけてから就職しようと思い、大学院に進みました。

ーまさに水素に一目惚れですね。
ビビッと来たんですよ(笑)。
エネルギー工学の勉強を始め、脱炭素や気候変動などを広く学びました。物理的な勉強を大学でやって、エネルギー全般の勉強を大学院で始め、後半はエネルギーマネジメントを研究していました。EVを活用した電力の効率的なシステムを組めないか研究していました。ある意味水素と競合する技術の研究ではあるんですが、これも水素に役に立つだろうと思って勉強していました。そして、念願叶いプラントメーカの水素を研究する部署に就職することが出来ました。

ー夢が叶ったわけですね。
水素の触媒開発に関わっていました。
日本で再エネするよりも、海外の最適地の再エネを利用して作った水素を日本に輸出する方が、経済的効率が高いんじゃないかと。例えば日本の気候で太陽光発電するよりも砂漠で発電する方が効率が良く、運賃を考えてもその効率よく作った電気を水素に変えて日本に運んだ方が結果低コストになる。海外の電力で水素を作って日本に持ち込めばベストじゃないかと考えたわけですね。水を電気分解して水素を作りますから、ざっと電気代金の5倍で水素ができますから、安い電気で水素を作って、水素を日本で燃やして電気に変える。脱炭素で見ると可能性あるかなと。環境から見ても、砂漠を太陽光パネルで埋めるのと日本の山野や池を太陽光パネルで埋めるのでは、やはり違うんじゃないかなと思います。
そこに気が付いたのが西谷です。

ー西谷と繋がってきましたね。
盆休みやお正月に西谷に帰ってきてゆっくりしていると、自然に囲まれた故郷っていいなあと思います。
世界の人もみんな故郷があるわけですから、地球温暖化によって海面上昇などが進み、故郷が海に沈んでしまうような状況はあってはならない。温暖化、気候変動を緩和し、故郷を守る、そのための脱炭素施策としては、将来的に水素もありかなと思います。現時点では車の水素エンジンが一番リアリティがありますね。短距離輸送はEV、長距離輸送はFCVという共存も可能性が高く、今も研究を続けています。
多くの人の故郷を守ることに、繋がればいいなと思っています。

ー安場さんの故郷、西谷の活性化という点ではどのようなお考えをお持ちですか
よくあると言いますか、一般的に言われる高齢化する過疎地域でしょうか。
逆に特に違いはないんじゃないかなと思っています。従って大きな差別化要素もない。過疎化する地域の活性化ですから、どうしても関係人口の拡大が必要です。他の地域の方から見て、他の地域と比較して何かがいいから西谷だということではなく、比較することなく西谷そのものに興味を持ってくれる人と繋がっていきたいなと思っています。第二の故郷、地元だなあと思っていただける地域ですね。僕たちが西谷に生まれて地元だから西谷がいいというのに近いかもしれません。
その魅力、一瞬で虜にする魅力が何かは、今は手探りしているところです。
少し感じているのは、全てでなく少し同質を感じてもらえることが第一歩かなと。そのためには西谷に来てもらわなければなりません。西谷は宝塚市の80%の面積を占めていますが果たして南部の市民が来てくれているかというと、私は多くないと思います、そこが突破口かなと。京都や神戸から来られる方ももちろんおられますが、同質性という点では、宝塚市民が1番地元愛を持っていただけると思います。

ーなるほど、ある意味もう地元ですから、地元だと気付く、気付いてもらう感じですね
そうです。
しかし、結構思い付きで動いてるところもありますので(笑)。趣味は何かと聞かれれば、地元で遊ぶことと答えてます。正直その感覚なんですね。色々な人と西谷で遊ぶことで繋がっていく、次の西谷が生まれるんじゃないかなあと。
西谷には人口密集地域がありませんからね。満遍なく田舎ですから、そこがいい。何もないから遊べる。
地域活性というと移住者を増やすことを考えがちですが、地域は高齢者が楽しくしっかり守る、そして、週末には若い人が遊びに来ることで賑わう、守ると賑わう、ふたつがうまく共存する地域もありかなと思っています。
賑わいの中で仕事が生まれてくれば移住者も出てくるんじゃないでしょうか。
今は、ダリア園や牡丹園を見てるとシニア世代が遊びに来る地域ですが、シニア世代が楽しく守る生活を見て移住することも期待できると思います。実際にお孫さんがマンションでは遊べないから西谷に移住したいという方にお会いしました。
地域を活性化させるふたつの大きな流れが生まれるといいなと思っています。

ー今回のひょうごフィールドパビリオンについてはどう取り組んでおられますか
当初は、西谷の色々なシーンをできるだけ多く体験いただくことで、良さを知っていただこう、先ほどお話の通り、同質性を見つけていただこうと考えていましたが、なかなか難しいなと思い始めています。
地元の人たちができるだけ多く関わってもらえるものにしたいと思います。そのために地元の人たちとの人脈を広げるところから始めています。
また、外部と言いますか、他の地域や都市部とつながる仕組みのようなものをみんなで勉強しているところです。地元の色々な年代の方の力を結集する意味でも意識合わせも必要です。情報収集のスタイルも違いがありますので、色々勉強になります。


他の地域との連携も図っていかなければなりません。
私も東谷や黒川と言われても行ったことがありません。今回の北摂里山地域循環共生圏や北摂里山フィールドパビリオンの活動を通じて学んだこと経験したことを西谷の活性化につなげていきたいと思います。よろしくお願いします。

ーありがとうございました。

        ーエネルギーを勉強して水素の最先端技術に携わって地域活動に奔走している若手の方。
ーお話をお聞きして本当に新鮮で、北摂里山に色んな可能性が生まれるんだろうなと感じたインタビューでした。
T.Mi

丸山湿原群保全の会代表 今住 悦昌 氏

国崎クリーンセンター啓発施設 所長 関野 正 氏

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