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インタビューず

川西ジャーナル 新稲 陸氏

新稲 陸(にいな りく)氏
川西ジャーナル開設者 運営者
2001年度生まれ、川西市在住。
神戸学院大学 現代社会学部社会防災学科在籍
防災士
2017年5月 前身となる川西鉄道情報局 開設
2019年10月 川西ジャーナルに改編 現在に至る

ー令和3年は緊急事態宣言で幕を開けました。兵庫県も緊急事態宣言をとの声が上がってきた1月11日。ふと読売新聞を読んでいると、『19歳_防災情報発信_川西の新稲さん_「人の役に立ちたい」』という記事が目に飛び込んできました。大学1年生が、「人の役に立ちたい」と一念発起し、身近な防災情報などを伝える「川西ジャーナル」のサイトを開設、ツイッターなどで発信を続けている。市議会委員会でも取り上げられたとのこと。若い人の声もインタビューで取り上げたいと思っていましたので、ミナミの大音響のロックバーで暗闇に正体の見えない焦燥と不安を塗り込んでいた19歳の自分とは大違いだなと思いつつ、インタビューをお願いしましたところ、快諾いただきました。
写真は、リモート画面からのカットですので、画質等ご寛容ください。

ーコロナ禍下、学業もお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
先ずは、川西ジャーナル開設までの経緯をお聞かせいただけますか?

よろしくお願いします。
高校生の時に、なんとなくですが、近隣の伊丹市や池田市、宝塚市に比べて川西市って知名度が低い感じで人口の減少が激しいのはなぜだろうと疑問に感じたのが始まりです。その疑問を「川西ジャーナル」の名前でツイッターに上げました。そのツイッターに少しずつ人が集まってきた感じです。合わせて、人口が減るのは、川西に行きたい川西に住みたい魅力が伝わっていないんじゃないかと考え、2017年に友人と川西の魅力を発信するサイトを作り、運営していました。

翌年2018年に大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号など大きな自然災害が身近に起こり、その時に災害を伝えるリアルタイムな情報が少ないと感じて、ツイッターやサイトで防災の情報をワンストップで発信しました。多くの人たちから助かりましたと感謝のリアクションをいただき必要性を確信し、防災情報の発信を強化して今の川西ジャーナルの形になっています。

川西市は、地域サイトが近隣の市に比べ多いのをご存知ですか。明らかに多いです、ですから差別化の意味でも防災に力点を置いているのが現状です。他の差別化要因としては、ツイッターでの発信では川西市でナンバーワンのフォロワー数を誇っていることだと思います。今年の1月3日に発生したような小規模な地震でもフォロワーが一気に増える状況から見て、ツイッター上で川西市の防災の情報をということでは、最速で情報発信できていると感じています。

ーフォロワーの方はどのような方が多いとお感じですか?
同年代の20歳代の学生、次に30歳40歳代の主婦層のフォロワー様が多いですね。ホームページでは誰が見ているかの属性を把握できませんが、ツイッターはそれがある程度できますので、いいツールだと思います。中学3年生の頃ツイッターが身近になったんですが、それ以来慣れ親しんでいますので、ツイッターが私たちには一番フィットした情報ツールですし、得意分野として特化して取り組んでいます。140文字の制約がありますので、より詳細な情報はホームページで補完しているイメージです。
おかげさまで今回読売新聞様にも掲載いただき、掲載日以降飛躍的にフォロワー数も増えました。新聞のメディアとしての強さも実感する事が出来、いい経験でした。

ー演繹的に積み上げてきた結果、今がある感じでしょうか。真ん中のあるブレないものは何ですか?
思い立ったらすぐやってみるが信条ですので、そうだと思います。
ブレないところとしては、やはり川西市の人たちに防災の面で何か役立ちたい、貢献したいという線になると思います。防災士の資格も取り大学でも防災を学んでいますので、そこはこだわっていきたいと思います。魅力の発信についても、ツイッターの強みを生かした情報発信をいろいろな人との連携の中で進めていきたいと思います。

ー防災情報といってもいろいろあると思います。こうすべきだという主張であったり、情報の取りまとめだったり。どのような情報発信を目指しておられますか?
若い人はツイッターでの情報収集が基本ですので、そこに情報を素早く流していく事が私たちの役割です。スピードが第一で、どんな小さな地震でもできるだけの情報をできるだけ早く伝えるようにしています。主張といいますか、地震が起こったらとかコロナもですがこうしようという情報発信はサイトで行なっています。
次の目標は、川西市全域を効率的にカバーする仕組みを作る事です。まだまだ小さな組織ですので、地域の人々とどう連携するかプラットフォームをどう作るか情報の集積と発信の仕組みをどう作るかが課題です。例えば、黒川や一庫などの地域と、その中心部である川西能勢口駅周辺の地域を比較すると、情報の出し手も受け手も全然違いますし、同じ災害でも、注意すべきことは変わってきますが、そこが川西市のいいところだと思っていますので、ハードルは高いですが、川西市全域をカバーすることは外すつもりはありません。

ーちょっと話は飛びますが、川西の魅力ってなんだと思いますか?
阪急電車が横に市内をつなぎ、さらには阪急電車とJR線が他の大きな街と繋いでいますので、交通が非常に便利だと思います。伊丹市とか宝塚市だと駅から先はバスでの移動がメインになり、利便性では川西市が住みやすいと思います。
あと街と自然が共存しているのが素晴らしい特徴だと思います。また川西市は高齢の方も多いですが、それはかえって古い文化が残っていて、人と人とのぬくもりがある一つの魅力ではないかと思っています。

ーなるほど。川西市という行政区分を強く意識されているわけですが、行政についてはどのように感じておられますか?
私たちの立ち位置もありますが、スピード感という点ではもう少し時代に見合った対応を期待したいと思います。しかし、一方では市の発信よりも早く情報発信する事を目指していますので、市の対応を待つのではなく、自分たちのコミュニティーを強化し独自で情報を収集出来るようにしていきたいと思っています。前回の市長選直前に、候補者に公開で意見を聴く会を共催しましたが、いい経験になりました。行政サービスを活用しつつも独自の発展を目指したいと思います。

ーちょっと未来の川西ジャーナルにはどんなイメージをお持ちですか?
私が大学を卒業してからの次の川西ジャーナルをどうするか、ビジョンをしっかり考えたいと思います。協力していただいている方はツイッターで出会った方々ですので、これからも人との結びつきは広がっていくと思います。コロナで社会情勢もちょっとどうなるか想像出来ませんが、川西市の若い人たちが集い考え行動する何か中心を作りたい、その枠組みは作っていきたいと思います。
これからは、少子高齢化も一段と進みますので、東京や大阪の大都市集中や自治体の消失などが起こってくるか、コロナで地方が見直されるか、状況は極めて流動的ですが、川西市の人口流出をどう食い止めるかという課題に対して、若い世代が貢献できる素地を作りたいと思います。

ー北摂里山地域のイメージは何かお持ちですか?
「日本一の里山」のタイトルは知っていますが、川西市に住んでいながら2、3回行った事がある程度です。言い方は悪いかもしれませんが、高齢者の方が静かでここはいいなという魅力はあるとは思いますが、若い人がわざわざ行きたいほどの魅力はありません。若い人が行きたくなる魅力資源を新たに創り出さないと何も変わらないと思います。若い人たちが集まって考えて北摂里山の魅力を新たに生み出す事が必要だと思います。市が集まってと言っても若い人は集まらないですから、そこは私たちがお手伝いできると思います。

ーぜひお力添えください。長時間ありがとうございました!

ー多様性を受け入れるのではなく多様性を積極的に取り入れなければ、組織も仕事も無くなってしまうと痛感しました。
合わせて、何歳になっても何歳であっても、今に安住せず、未知に挑戦し続けなければならないなと元気をいただきました。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。(T.Mi)

 

株式会社能勢・豊能まちづくり 代表取締役 榎原 友樹 氏

(有) 紋珠 高槻バイオチャーエネルギー研究所             所長 島田 勇巳 氏

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