新年のお忙しい中、国内1日のコロナ感染者が初めて6000人を超えた1月6日、リモート会議でのインタビューとなりました。
写真がリモートのカットですので、画像的には今ひとつですが、ご容赦ください。
ーよろしくお願い申し上げます。先ずは今のお仕事について簡単に教えていただけますか?
柄本 廣宣(ツカモト ヒロノリ)氏
環境省 近畿地方環境事務所
環境対策課 課長補佐
1964年 大阪市生まれ
1982年 大阪府立河内長野北高校卒/1982年〜農林水産省採用/2006年4月〜環境省転籍
2020年4月~現職
地方環境事務所は、環境省と地方との協働関係を築くために全国に7箇所設けられています。
廃棄物対策、環境対策、自然環境の保護等の執務をしています。業務自体は自治体に移管し実行されていますが、私たちは、自治体の枠を超えた対外的な対応等の施策を主管しています。
ーありがとうございます。蒔田様の属されているきんき環境館との関係式はどのようなものですか?
蒔田 尚典(マキタ タカノリ)氏
環境省近畿環境パートナーシップオフィス(きんき環境館)
コミュニケーションディレクター・ジオパーク専門員
1986年 和歌山県生まれ
2010年 和歌山大学教育学部卒/2010年~民間企業に就職/2013年~地方自治体にて協働や合意形成を協議会運営の経験から学ぶ
2017年~現職
よろしくお願いします。
私どもきんき環境館_近畿環境パートナーシップオフィスは「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」に基づき、環境省が近畿エリアに設置した実行部隊として、蓄積したネットワークやノウハウを活かし、多様な主体が主役となったパートナーシップを創出する機会づくりとともに、地域環境課題の解決や新たな地域価値の創造に向けた助言・情報提供等の支援を行っています。
近畿環境地方事務所様と私どもきんき環境館は、ゼネコンとサブコンのような形で一体となって案件を進める関係にあります。
ーありがとうございます。分かりやすいですね。今回の地域循環共生圏における役割はどのようなものですか?
(蒔田氏_M)この絵がわかりやすいと思います。
この絵の左「地域ビジネスづくり支援」のところを中心に進めています。地域循環共生圏づくりに向けてそもそものパートナーを探す、コンセプトを表す曼荼羅を作る等の支援です。昨年度は環境省から直にコンサルさんが入ってこの業務をされていたんですが、全国の中で見ると色々と課題も見つかり、今年度はより地元に密着したきめ細やかな支援をということで、各地の地方環境事務所様と環境パートナーシップオフィスもサポート部隊として関わることとなりました。現在私どもで近畿圏の4つの共生圏プラットフォームとお付き合いしているわけですが、一つ一つが違ったステージにあり支援の形も違うものになっています。
(柄本氏_T)右側にあります財務局等との連携やESG金融とのマッチング支援などは次のステップになります。
ーかなりそもそもになりますが、「地域循環共生圏」とは一言でと問われたらいかがですか?
(T)地域の資源を使って地域が儲かる儲ける、儲かったお金で地域が発展しそれをベースに自然保全環境保全を実現する。実現するにはやはり経済が回らないといけない、地域ごとにおけるその仕組みが地域循環共生圏だと考えています。地域の経済基盤を作らなければ地域人口も維持できない地域が生き残れません。共生圏のゴールは自然保全を担う地域の維持ではないでしょうか。
(M)私は前職にて地域おこし協力隊をやっていましたので、やはり地域資源を使うんですが、自然を活用した形での地域づくりが地域循環共生圏だと思います。都市と地方との循環も紙幣通貨ではない循環、心的なもの含めた物々交換的な循環をイメージしています。ゴールは、モノやエネルギーが地域内で循環ができて地域住民が自活できること、地域に住む人たちが、人数規模は別にして、自活できるようになることだと思います。色々な方々と共生圏の話をするときに、定義というか元々のスケール感、ゴール感が様々に出てきて各々違っている感じがします。私のスケール感は、100ー200戸の集落のイメージです。
ー私のイメージはこの絵なんですが、いかがでしょうか? 出典2020.8.25 企業と地域の協働セミナー「環境省 新しい社会を考える地域循環共生圏づくり」
(T)目標としてはこの絵になります。現実感として、まだまだ地域が自立するハードルは高いですね。今の日本で単独で自立することは難しいと思います。自立の形、連携の形がリアリティーを持てるかでしょうか。
(M)ハードルは高いですが、イメージはこの通りだと思います。左下の狭い地域が私のイメージでは集落レベルであり、そのサイズで自立するにはどうするか、その中で全てを賄うにはどうするかが地域循環共生圏の目指しているところと考えています。狭い地域の循環があって広い地域の循環があるイメージですね。
ー近畿圏の共生圏のビジネス作りをサポートされていて、評価はいかがですか?課題は?
(M)北摂は木質バイオマスで本庁の事業を受託され調査を始めておられますが、近畿を含めて全国を俯瞰してみるとまだまだビジネスノウハウ、ビジョンが弱い地域も多い印象です。そこに対して地方環境事務所様と環境パートナーシップオフィスが課題解決に繋がる支援が求められていると思います。
(T)近畿圏の4エリアは、全て2年目の継続案件ですので、そもそものプラットフォーム事業である仲間作り、プラットフォームの土台は出来ていますが、上に乗せるビジネス力がまだまだ弱いですね。今年度2年目の目標としては、事業のタネを作ることだと思います。次年度以降はその事業のタネを育てて地域循環共生圏の基盤を作るイメージですね。環境省としても以下の曼荼羅図のような多機能の事業が合わさって地域循環共生圏は自立すると考えていますが、先ずはそのための緒を生み出すことではないでしょうか。
次年度以降については、2年で構築されたプラットフォーム自体が、シーズを産んだ事業を育て原資として地域の事業者の皆様を支援する形で進めていただくイメージです。北摂地域では、かなり進んでいる地域だと思います。木質バイオマス事業のリアリティー、実現性がキーかなと思います。期待しています。
(M)30−40代の地域のコーディネーターが重要ですね。そのコーディネーターのモチベーションは地域に対する愛だと思います。そして地域内の住民、住民目線が重要だと痛感しています。一般的に、世の中の地域作りの中心は60−70代ですし、取り組みのスタートはおそらく60-70代だと思いますが、若い人の参加に期待しておりここが重要だと考えています。担い手の間口は狭くなりますが、そこをどうクリアするかが共生圏作りの大きな試金石だと思います。
北摂地域では、ステークホルダーは充実して多数おられますので、コロナ禍では難しいですが、人と人の対話の場を広げることかなと思います。オンラインでは地域作りは無理だと個人的には思っています。そこをクリアして進化することで地域プラットフォームとしてはより素晴らしいものになると思います。期待しています。
ーありがとうございました!
ーいつもお顔は拝見していましたが、ちゃんとお話したのは初めてでした、やはり対話は重要だなと感じました。
俯瞰して多数の事業を見ておられますので、支援いただくというよりも、
こちらから支援を引き出す能動的な意識が必要だなと思いました、今後の課題かと。
ご指導よろしくお願い申し上げます。(T.Mi)